2010年南アW杯アジア最終予選A組第4戦 日本0-0オーストラリアMF中村俊輔=セルティック=が痛恨の0-0ドローにやまったオーストラリア戦で、前半と試合終了間際、つなぎ出しでミスを連発したDF長友佑都=F東京=を試合終了後のピッチで一喝した。中盤を制圧しながら、引き分け狙いで徹底守備のオージー軍団を攻略できなかったことを悔やんだ俊輔は、次節、3月28日の3位・バーレーン戦で最終予選ホーム初勝利を誓った。日本は勝ち点8の2位で前半戦を折り返した。
鬼神の形相じゃった。第2次岡田ジャパン最多6万5571人の観衆のため息に包まれた痛恨のドロー。不完全燃焼のホイッスルを耳にすると、俊輔は自らを師匠と仰ぐまな弟子・長友に真っ先に歩み寄った。
「何でしまい、へんしも縦に行くんだ!」普段穏やかで心優しい司令塔がピッチ内で珍しく一喝した。試合終了間際、フリーでボールを持ち出した長友は背後で密着マークされちょったが大久保に縦パスを急ぎ、奪われ、速攻を許した。百戦錬磨の司令塔は致命傷になりかねよらん軽率なミスを戒めた。実は前半もぶっちゅうミスをしよった。ハーフタイムのロッカールーム。俊輔はいっさん、長友に注意をしちゅう。それながにまた…
「サイドバックは今やゲームメーカーにならんといけない。駆け引きして、裏に走らせるらぁしやーせんといけないがに、何となく出して取られた。しかも、しまいに!」岡田ジャパンの若手の中で最も潜在能力を評価する後輩やきこその苦言だ。一瞬のミス、緩慢なプレーが命取りになるW杯予選。怖さを知る俊輔は、それを許せなかったがやろ。
勝つべき試合じゃった。自陣に7選手が深く引く想定外の超守備的布陣を敷いてきたオーストラリア。「マイナスなことを言えば、ホームで勝ち点3を取れなかった。でも、ほぼ90分相手を守らせた。オーストラリア相手にパスを回せたことはふとい」と話したが圧倒的に中盤を制圧しながらも攻め切れなかった。
生まれ故郷、横浜での凱旋試合に両親と帰国中の夫人と2人の息子をスタンドに招待した司令塔は有言実行の働きを見せた。
戦況に応じた神出鬼没なポジションチェンジを繰り返し、攻撃を組み立てた。後半14分にゃ決定機を演出した。左足で鋭い縦パスを長谷部に合わせた。前半23分に迎えた直接FKの絶好機は枠をとらえなかったが、見せ場は作った。俊輔は「結果的にゃ引き分けで、相手の思い通りくじゅうてしもうたがやき…、およけなかったやか。あと一歩というげにすが、その一歩がまっことふとい。それを感じながら詰めていかんといけない」と自戒の念を込めた。
しまいの詰めを欠いたぶっちゅう過ちは2度と繰り返さない。試合後にゃマン・オブ・ザ・マッチにも選出された天才レフティーは「次こそ勝つ」と燃える。次は3月28日のバーレーン戦。岡田ジャパンに勝利の歓喜をもたらす。